北欧紀行:キナポリ多機能サービスセンター

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フィンランド市内のキナポリ多機能サービスセンターのカフェの入り口です。
1985年に設立され、改装・改修を経て2012年に現在の3つのグループホームとサービスホームを
併設し再スタートしました。外観は街並みに溶け込んでいて違和感が無く、
言われなければ通り過ぎてしまいそうな建物です。内部は広く設備も充実していて、
プールや体育館、ジム、食堂やカフェ、クラブ活動用の部屋も多数備えています。
内容としては健康な高齢者向けのサービスセンター、ケアの必要な方向けのデイケアセンター、
認知症グループホーム3棟(定員39人)、24時間ケア付きのサービスホーム(定員24人)を
運営しています。
日本では多機能というとケアの必要な方々の施設となっていますが、ここは違いました。
サービスセンターでは、健康な高齢者や失業中の人々、薬物やアルコール依存を抱える人々にも
施設を開放し、様々なクラブ活動や健康管理、メンタルサポートを行っています。
ヘルシンキ市民であれば誰でも利用でき、移民支援や学生交流、
ボランティアコーディネートも行われていました。
市民が孤立しないよう情報提供の窓口として積極的な働きかけをし、地域住民に愛され、
地域のコミュニティーセンターとして機能していました。
今後の日本の地域福祉を推進するために、非常に参考になる取り組みだと思います。
一日約400名が利用するというセンターは、即ボランティアの確保にもつながっていました。
日本でも発想の転換が求められる時期に来ていると思います。