第30回日本森田療法学会in安田講堂
紅葉の美しい季節となりましたがお元気でお過ごしでしょうか。
第30回日本森田療法学会に参加する為、11月17日、18日と
東京大学安田講堂へ行ってまいりました。
東大の正門から安田講堂へ続く道の両脇には銀杏の大木が
黄色に紅葉を始めており、それはそれは見事でした。
黄色の波が両側から押し寄せてくるようでした。
ご存知かもしれませんが森田療法とは精神科医の森田正馬が
1919年に提唱した精神療法(心理療法)です。
今回は「森田療法と認知行動療法の交流と発展ー比較文化の観点から」という
大会テーマでしたから大変興味深く拝聴しました。
今最先端の第三世代の認知行動療法であるAcceptance and Commitment Therapyや
Mindfulness-Based Cognitive Therapyと森田療法との共通点と違いが語られました。
森田の言う「あるがままを尊重する」という点が3者に共通しています。
クライエント自身の症状を排除しようとか治そうとかするのではなく、それを丸ごと受け容れ
ることが出発点になります。逃げず、争わず、流されず、あきらめず、自ずからあるがままの自分を
目指すとでも言ったらよいでしょうか。
恩師に「内観法や森田療法は日本で生まれた世界に誇りうる精神療法だ」と
教授を受けたことを思い出しました。
今から100年近く前に、日本で現代にも通じる精神療法が誕生していたのです。
日本人の英知を感じざるを得ません。
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- at 2012年11月19日